梅雨から夏へとバトンが渡る頃合いになってまいりました。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
2017年も半分が過ぎ、夏の足音が聞こえる7月となりました。
梅雨の季節を彩ってくれた紫陽花にもそろそろ別れを告げなければなりません。
ですが喜ばしいことに
夏にはまた別の花が私たちの目を楽しませてくれます。
さて、夏の花といえば向日葵を思い浮かべる方が多いかもしれません。
確かに向日葵の華やかさは夏の晴れた空にとても映えますよね。
しかし私は先日、向日葵とは別に夏の訪れをひっそりと告げてくれる花を
自宅の庭に見つけました。
その花の名前は「白粉花(おしろいばな)」。
白粉花は、主に濃いピンクや黄色、白の小さめでラッパ状の花を夏の夕方に咲かせます。
名前の由来は種子の中に白粉のような粉状の白い胚乳が入っているから。
その名前の由来だけでも興味深いですが
調べてみると白粉花には他にもおもしろい別名がありました。
和名、英語、中国語でそれぞれ「夕化粧」「Four o'clock」「洗澡花/煮飯花」。
「洗澡花」はお風呂に入る時間から、「煮飯花」は夕飯の時間からその名前がきているそうです。
いずれも白粉花が夕方に咲くことから名付けられています。
特に「夕化粧」というのは花を人になぞらえていてとても風情を感じます。
他にも、一つの株から異なる色の花を咲かせることと
原産地が南アメリカであることから英語で
「marvel of Peru(ペルーの驚異)」ともいわれています。
白粉花について調べながら思い出したのは、幼い日々でした。
私は幼い頃、幼稚園の庭に咲いている花たちを水の中で揉んで
色の付いた水を作って遊んでいました。
携帯電話やゲーム機が与えられていなかった私は
様々な色の水を作って眺めるだけでとても楽しかったのです。
そして色水を作るときに特にお世話になったのが白粉花でした。
そんな日々を思い出すと
スマートフォンの画面ばかりを見てしまう今の生活は寂しいもののように感じます。
たまにはスマートフォンを植物図鑑にでも持ち替えて町を歩いてみようかな
と思う今日この頃でした。
これから暑さも増していくことかと思いますが、
皆様には夕方の白粉花に風情を感じながら
夏を少しでも楽しんでいただけたら と願っております。
( 瑛 )